インフルエンザについて
インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、A、B、Cの3型があります。
通常、寒い季節(12月から3月頃)に流行するとされています。しかし最近では、一年を通して散発的にみられるようになり、注意が必要です。
潜伏期間
潜伏期間は通常1〜3日といわれています。
感染経路
飛沫感染:感染した人がせきやくしゃみで空中に吐き出した分泌物に混じったウイルスが、他の人に接触して口や鼻から侵入することによって感染が成立します。
症状
発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、せき、鼻汁、咽頭痛などの上気道症状がこれに続き、約1週間で軽快します。
主な合併症として肺炎と脳症があげられます。
診断
流行状況、接触歴の確認と典型的な臨床症状が診断に有効です。
インフルエンザ迅速診断キットにて咽頭ぬぐい液から短時間で簡便に診断でき、A型とB型の鑑別も可能です。
細野医院のインフルエンザ診断機器
導入しております。
富士ドライケムIMMUNO AG1
AG1は検出感度が(通常のキットと比較し)約100倍です。発症6時間以内と48時間以降のウイルスが少ない時期にとくに有効です。
発症12時間から48時間は通常キットと判定に差はありませんが、AG1は目視での判定ではなく、機械で陽性か陰性か判定しますので、一定した判定結果が得られます。
今までの迅速診断キットでは、発病12時間以内はウイルス検出率が低値で偽陰性(インフルエンザにかかっているのに陰性となる場合)が多く見られたが、今回当院が導入する機器は12時間以内でも検出率が高く、早期の診断に役立ちます。また早期の治療で重症化や持病の悪化、ウイルスの蔓延も軽減できると考えます。
治療
1:対症療法
自宅での安静加療が原則です。水分補給や食事摂取ができない時は、点滴による補液が必要となります。
2:抗インフルエンザ薬
代表的な抗ウイルス薬を下記に示しています。
発症後48時間以内に使用しなければ、効果は少ないといわれています。
近年、ザナミビルとオセルタミビルの両薬剤への耐性ウイルスの出現が報告されており、新たな作用機序の新薬開発が行われています。
国内で使用可能な抗インフルエンザウイルス薬
商品名 |
作用機序 |
有効な型 |
投与方法 |
---|---|---|---|
シンメトレル(アマンタジン) |
M2蛋白阻害 |
A型 |
経口 1回100mg、一日1回 5日間 |
リレンザ(ザナミビル) |
ノイラミニダーゼ阻害 |
A型とB型 |
吸入 1回10mg、一日2回 5日間 |
タミフル(オセルタミビル) |
A型とB型 |
経口 1回1カプセル、一日2回 5日間 | |
ラピアクタ(ペラミビル) |
A型とB型 |
点滴 1回300mg(成人) 単回 | |
イナビル(ラニナミビル) |
A型とB型 |
吸入 1回40mg(10歳以上)、1回20mg(10歳未満) 単回 | |
ゾフルーザ(バロキサビル) |
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 |
A型とB型 |
経口 成人及び12歳以上の小児:40mgを一日1回 (80Kg以上は80mg一日一回投与) 12歳未満の小児:40Kg以上は40mg一回投与 20Kg以上40Kg未満は20mg一回投与 10Kg以上20Kg未満は10mg一回投与 |
予防と通勤・登校規定
@一般的な予防方法
マスクの着用、手洗い・うがいの励行によりウイルスの体内への接触や侵入を減らすことが重要です。
感染拡大させないために、感染者は発症してから5日間かつ解熱が得られてから2日間は自宅で安静加療することが必要です。
Aインフルエンザワクチン
不活化ワクチンのため、免疫のない患者に接種しても感染を起こす心配はありません。
高齢者、基礎疾患を有する患者、医療従事者などはワクチン接種をすることが推奨されています。
また重症化を防ぐ効果も認められています。
高齢者のインフルエンザ予防接種について
小児のインフルエンザ予防接種について
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